採用されたのは L/R-ΔLoc(エルアールデルタロック)
今年、販売開始から35周年。累計出荷台数1億個を突破した腕時計史上唯一無二の鉄板ブランド「G-SHOCK」。
当時腕時計は「落としたら壊れる」が常識の中、数々の困難を乗り越えて到達し、実現されたのが独自の耐衝撃構造。タフの中核を担うテクノロジーの誕生である。いまや伝説として語り継がれるその生立ちは、同時にタフネスウォッチという新たな時計史の幕開けでもあった。時代を超え、常識を越え、タフネスの高みをG-SHOCKは追求し続ける。
そして、2018年10月発売の最上位モデル G-SHOCK MRG-G2000R-1AJR に、過酷な衝撃や振動でさえも緩むことのないネジ「L/R-ΔLoc」が搭載され、NejiLawも新次元の一歩を踏み出したのです。



開発ストーリー
腕時計にタフネスという新たな概念を築き上げたG-SHOCKが、更なる究極を求めて辿り着いたのが、弊社NejiLawでした。既に緩まないことを実現していたL/Rネジでしたが、そのハードルは過酷なものとなりました。素材・表面加工の限定はもちろん、ボルトのネジ部径わずか1.6mm。メンテナンス用に破壊することなしに外せる必要があることから、恒久的嵌合のラッチ構造を適用できないため、新たな発明が必要でした。そこで導き出したのは、弾塑性力学を応用した「Δ(デルタ)ロック」機構。道脇が生み出した新たなメカニズムです。

L/R-ΔLoc(デルタロック)の締結メカニズム
先に装着される左ねじの「Lナット」に造形された三角柱状のΔ(デルタ)部の3つの頂部が、後から装着される右ねじの「Rナット」の円筒部を塑性変形させます。L/R-ΔLoc(デルタロック)機構は、デルタ部の外周長と円筒部の内周長とがほぼ等しくなるよう「異形等周」に設定されています。この円筒部は、その変形が塑性域内になるように設計されており、デルタ部への嵌合時に円いモノを三角に沿わせ馴染ませつつ、残留弾性域で圧接されるように構成したことで、強靭なロッキング状態を保持することができるようになっています。これにより2つのナットは一体化され、L/Rボルトから抜け出すことができなくなるのです。
そもそも弾塑性力学とは
物体は外部からの力で変形しますが、変形したまま元の形状に戻らないのが塑性変形(永久変形)であり、これに対して変形しても外部からの力がなくなれば元の形状に戻るのが弾性変形です。「弾塑性力学」は、この異なる性質を合わせ考えたモノ。

緩まないネジ「L/Rネジ」
元来「ねじ」は、緩んでは困る箇所に使うもの。しかし絶対に緩まないねじが存在しない。発明家・道脇裕がねじに関わるきっかけとなったのは、自ら運転する走行中の乗用車からのタイヤ脱輪。この経験から必要性を痛感し、緩まないネジの開発へと奮い立たされました。緩みの要因のひとつであり、あらゆるねじが頼っていた「雄ねじのねじ山表面と雌ねじのねじ山表面との間に作用する摩擦力」を捨て、正逆に回転する2つのナットでロックする「L/Rネジ」は、ねじの常識であった、ボルトの螺旋構造さえも捨て去った、画期的な発明だったのです。



カシオ計算機株式会社 G-SHOCK MRG-G2000R-1AJR 商品説明より
耐振動性能に磨きをかけるため、“緩まないネジ”で名高いNejiLawとの共同開発を実施。バンド接続部に耐緩性を極限まで追求した「L/R-ΔLoc(エルアールデルタロック)」を世界初搭載しました。1本のボルトを、正逆に回転する2つのナットでロックするL/Rネジをベースとし、弾塑性力学を応用したΔ(デルタ)ロックで、振動等による緩みを防止します。
G-SHOCK公式サイトはこちら

G-SHOCK MRG-G2000R-1AJR へのL/Rネジ搭載を記念して、使用されているL/R-ΔLoc(デルタロック)の10倍寸モデルを、数量限定で予約販売を行います。全長233mmの大型モデルです。
予約を希望される方は、下記までメールご連絡ください。詳細をご案内致します。