VanLoc(バンロック)
開発の背景
社会資本のうち道路橋は、全国73万橋あり、そのうち建設後50年以上経過する割合が、10年後には60%に達する(国土交通省発表資料による)。
そのため、東・中・⻄日本高速道路は、早急に大規模更新が必要とされている鉄筋コンクリート床版を用いた高速道路橋梁総延⻑約230kmに及び床版の取替について費用約1.65兆円の事業を計画している(NEXCO3社発表資料による)。
他方、現状の鉄筋コンクリート床版を用いた高速道路橋梁の施工方法は、予め工場で鉄筋コンクリート床版を製作し、現場に一定間隔を空けて配列した後に、当該間隔に「間詰めコンクリート」を打設することで床版同士を繋げるというものである。この作業には多くの人手や重機を要する上、床版の位置決め配列に膨大な時間を要している。例えば、床版を一定間隔ごとに配列する作業だけで1枚あたり30分以上を要するというのが現状である。

取替床版用新型継手「VanLoc」
「VanLoc」は,取替用プレキャストPC床版に用いる、現状避けられないと考えられて来た間詰めコンクリート打設を不要とする画期的な工法を実現し、床版連結と床版の位置ズレの矯正をボルト1本締めるだけの作業で完結できる革新的な継手です。

「VanLoc」の特長
・床版同士の間詰幅を極限まで小さくすることが可能で,間詰部の配筋およびコンクリート打設が不要となります。
・床版連結と床版の位置ズレの矯正をボルト1本締めるだけで行うため,床版設置に要する時間は数分となります。位置ズレの矯正は,橋軸方向,橋軸直角方向および鉛直方向の3方向に対して行うことが可能です。
・横断勾配の変化に対応するため,隣り合う床版の段差を「VanLoc」で吸収することが可能です。

「VanLoc」の開発状況
・製品としての開発は終了し,現在量産化に向けた開発に着手しております。

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