国土強靭化に向けNejiLawが目指す「ロックテック Advanced Loc-King Technology」
1964年 東京オリンピックから56年ぶりに開催される、2020年 東京オリンピック。日本国内でインフラ建設が盛んに行われてから60年近くが経過しました。建造物の寿命が、40~50年と言われる中で、近年、老朽化したインフラが急増しています。対策が必要な対象は橋梁、トンネル、高速道路をはじめ、ダム、上下水道、鉄道など多岐に及び、耐震、修繕、改修、改築、再建の必要性が激増しています。現在のまま放置した場合、近い将来に予測されている激震災害での被害想定額(土木学会発表)は、南海トラフ地震 1,410兆円、首都直下型地震778兆円と発表され、国は「国土強靭化(ナショナルレジリエンス)政策」を策定、平成30年12月14日に全面リニューアルされた国土強靭化基本計画が閣議決定され、平成31年度だけでも5兆3千億円を超える予算が組まれ、所要の資金総額が200兆円に及ぶと目されている超巨大施策です。メンテナンスコストが重くのしかかる中、老朽化したインフラと新設するインフラのどちらも安全性の向上をはじめ、工期短縮化、長寿命化、省人化、ライフサイクルコストの低減化が求められ、いかにこれらの実現を果たして行くかが問われ、そのための常時遠隔モニタリングシステムを構築するかが課題です。今正にそれらを実現するための新たなテクノロジーが望まれています。



スマートレジリエンスを実現する無人常時遠隔モニタリングシステム「SMART FASTENER(スマートファスナー)」
NejiLawには、「L/Rネジ」に代表される 緩まない締結技術があります。ボルト締結を用いた構造物には、応力が集中してしまいやすい継ぎ目が多数存在し、まさにその部位に、ネジが使われています。NejiLawが開発する「SMART FASTENER(スマートファスナー)」は、緩まないネジ技術に立脚した、構造物全体の応力状態を無人で常時の遠隔モニタリングをするためのデバイスであり、いわばそれは強度部材としてのネジ型の応力センサなのです。
SMART FASTENERは、締結作業時の締結軸力や状態の一括管理を可能とし、締め忘れが無いか、各SMART FASTENERの締付け状態が正常かを見える化することをはじめ、その後の経時状態をモニタリング可能とすると共に、SMART FASTENERが組み込まれた構造体の各部や全体の健全性をモニタリングすることを可能とする技術です。

※ネジ締結は、橋梁、高規格道路、鉄道、上下水道などのインフラから、オフィスビル、マンション、住宅、工場、プラント、倉庫などの建築物、さらには自動車、輸送車両、建設機械、鉄道車両、航空機からロケットに至るまで、ありとあらゆる産業を支えている基礎技術です。

※構造体に流れる応力(応力分布)とネジ
構造体には、どうしてもつなぎ目ができてしまいます。
そのつなぎ目は、どうしても応力の流れが変わるいわば関所のようなものとなります。
その応力の関所の表通りと裏通りを連結しているのがネジです。
つまり、ネジは応力の要所なのです。
そして、その応力の要所であるネジを応力計測デバイスとして、応力計測を行えば、構造体全体に流れる応力の分布を捉えることができるのです。
ネジという局部の応力計測によって、構造体全体の応力状態を知り、健全性を見える化する、それがスマートファスナなのです。

NejiLawは、L/Rネジ、ZaLoc、JicLoc、ShuLocを始めとする高度接合部材に加え、発明的スピード課題解決体制から研究・開発・試作・量産技術構築・品質管理に至る一気通貫した体制を社内に有し、「創発力」によって、広く社会に貢献して参ります。



施工工期の短縮とコンパクト化を同時に実現した、画期的なシールドトンネル用RCセグメント向けの新型セグメント継手「JicLoc(ジクロック)及び ShuLoc(シューロック)」が完成しました。


製品の特長 JicLoc
セグメント構築時の位置誤差、姿勢誤差を吸収する誤差吸収機能を充実させながら、従来3t必要とされた結合荷重を0.03t程度に低減し、セグメントの組立性を向上させた上、誤接合時に取り外すことを可能とするロック解除機能も合せ持つ。


製品の特長 ShuLoc
従来、オス型継手とメス型継手の2種類で構成されていた継手を1種類にシンプル化。さらに従来の鋳造生産から鍛造生産への変更により、重量比で36%以上の小型化を図りながら、強度向上と量産性の向上を実現。


*1 シールドトンネルとは
シールド工法によって作られた高速道路・高速鉄道・下水道などのトンネル。シールドマシンと呼ばれる前端に回転刃を有する円筒状の装置でトンネルを掘り進め、マシン後方にセグメントと呼ばれるブロック状の外壁を接合しながら構築される。
*2 RC(鉄筋コンクリート)セグメントとは
シールド工法で用いる鉄筋コンクリート製のブロック状の壁面部材。個々のセグメントは、円筒を軸方向と周方向に分割した円弧ブロック形状で、予め工場で製造され、現場で互いに接合しながら組み立てられる。大きなものは、単体重量で10tを超えるものもある。
*3 セグメント継手とは
RCセグメント同士を緊結させる継手部材。締結後に緩まない強さ、超重量物であるセグメント及び周囲からトンネルにかかる荷重を支え耐える性能、締結作業の簡便さによる作業時間短縮、セグメント同士の位置や姿勢の誤差を吸収する機能などが求められる。






開発の背景
社会資本のうち道路橋は、全国73万橋あり、そのうち建設後50年以上経過する割合が、10年後には60%に達する(国土交通省発表資料による)。
そのため、東・中・⻄日本高速道路は、早急に大規模更新が必要とされている鉄筋コンクリート床版を用いた高速道路橋梁総延⻑約230kmに及び床版の取替について費用約1.65兆円の事業を計画している(NEXCO3社発表資料による)。
他方、現状の鉄筋コンクリート床版を用いた高速道路橋梁の施工方法は、予め工場で鉄筋コンクリート床版を製作し、現場に一定間隔を空けて配列した後に、当該間隔に「間詰めコンクリート」を打設することで床版同士を繋げるというものである。この作業には多くの人手や重機を要する上、床版の位置決め配列に膨大な時間を要している。例えば、床版を一定間隔ごとに配列する作業だけで1枚あたり30分以上を要するというのが現状である。

取替床版用新型継手「VanLoc」
「VanLoc」は,取替用プレキャストPC床版に用いる、現状避けられないと考えられて来た間詰めコンクリート打設を不要とする画期的な工法を実現し、床版連結と床版の位置ズレの矯正をボルト1本締めるだけの作業で完結できる革新的な継手です。


「VanLoc」の特長
・床版同士の間詰幅を極限まで小さくすることが可能で,間詰部の配筋およびコンクリート打設が不要となります。
・床版連結と床版の位置ズレの矯正をボルト1本締めるだけで行うため,床版設置に要する時間は数分となります。位置ズレの矯正は,橋軸方向,橋軸直角方向および鉛直方向の3方向に対して行うことが可能です。
・横断勾配の変化に対応するため,隣り合う床版の段差を「VanLoc」で吸収することが可能です。

「VanLoc」の開発状況
・製品としての開発は終了し,現在量産化に向けた開発に着手しております。